2018年5月8日(火)ー 2018年8月31日(金)
すべての学問に共通かもしれませんが、獣医学の教育においては教材のもつ意味は特別に大きいといえます。というのは、文章や図によってもある程度わかる学問分野もありますが、動物の体を説明するには「紙資料」では限界があるからです。そのために様々な工夫がされてきました。
古い教科書には絵や図、新しいものでは写真が載るようになりましたが、立体的な動物の体を表現するには限界があります。そこで教材が開発されました。骨格標本はその代表的なものです。また木材や石膏などで複製を作ることも行われました。映像がなかった時代、そのような教材は大きな効果を持っていました。
骨は丈夫なので標本が作られましたが、筋肉などの柔らかい組織は変質しますから液浸標本にされました。これは保管が大変でしかも、実習としては見るだけで触ることはできません。
こうした中で登場したCT技術は、これまでの教材の弱点を補うものになりました。CT技術による3次元表現を3D(3 Dimension)表現といい、3D技術で作られた模型を「3D模型」と呼ぶことにします。
今回の企画展示では麻布大学で行われている3D模型による教育を紹介することとし、このプロジェクトを進めておられる坂上元栄先生にご指導いただきました。このプロジェクトは,麻布大学教育改善プログラム(平成27~28年度)によって実施されたものです。
麻布大学いのちの博物館 公式twitter