展示中
あらゆる動物の生活の基本は食べることにあり、動物たちは何をどれだけ食べるかに日々を費やしている。シカは草を、サルは果実をタヌキは果実や昆虫を食べる。そこにはどういう工夫があり、自然の原理があるのだろうか。
麻布大学の野生動物学研究室ではこの課題に取り組んできた。そしてシカ、カモシ...
博物館へのいざないコーナーでは、館内の展示全体をご案内します。入口すぐのケースには、全体の展示を代表する展示物があります。壁面には、学術展示のポスターを紹介しています。また、現在、麻布大学で行われている研究の成果を紹介しています。そのほか、家畜の全身骨格標本なども展示しております。
多様な獣医学研究の中から、家畜の品種改良の例としてイノシシとブタ、オオカミとイヌを比較しました。また、寄生虫の液浸標本、血管を表現するプラスティネーション、家畜の模型教材などを紹介しています。
動物の血管は、体のすみずみにまで行き渡っています。末端ではミクロの細さになりますが、二宮博義先生(麻布大学名誉教授)は、血管をプラスチックで写しとる高度な技術により、プラスティネーションを製作することに成功し、本学に残されました。
病理標本とは、動物が「病」と闘った姿を標本としたものです。標本を見ることで、動物の体が病気と闘っていることをリアルタイムに理解することができます。麻布大学のいのちの博物館には、長年かけて収集したさまざまな病気の標本があります。
寄生虫は、家畜の健康を害する重大な原因になり、人への伝染の恐れもあります。このため、寄生虫学は獣医学においても重要な研究分野です。一方、寄生虫は動物の進化という観点からすれば、究極の生物とも言えます。
獣医学を学ぶ学生は動物の形態学、解剖学を習得するために動物の解剖を行いますが、映像などが未発達だった時代には、模型教材でも学びました。今回、大正2年卒業生寄贈のウシの模型が発見されました。昭和20年に大学校舎が全焼したことを考えれば、これらの模型はどこかいに避難していたと考えられます。
アフリカゾウは地上最大の哺乳類ですが、驚くことに小さなネズミと基本的には同じ体のつくりをしています。長い進化の間に、生活の違いによって、これほどの大きさの違いが生まれたのです。動物に学ぶコーナーでは、動物の大きさと形から生命の神秘について学びます。
20世紀後半、公害による環境汚染が大きな社会問題となりました。そうした動きを受けて麻布大学は、人の環境について学際的な知識をもつ実践力のある人材育成をめざし、1965年に麻布公衆衛生短期大学を発足。その後、環境汚染の複雑かつ多様さから四年制大学昇格となり、1978年に環境保健学部を開設し、2008年に生命・環境科学部に改称しました。このコーナーでは、本学部を象徴する分析機器などを紹介しています。
麻布大学は1890年、東京獣医講習所としてスタートしました。その後、次第に充実し、学生数も増えましたが、1945年に空襲により校舎が全焼、幾度かの移転を経て、現在の相模原に「復興」、今日につながっています。このコーナーでは、歴史的な遺品や、増井光子先生の業績などをはじめ、麻布大学125年の歴史を紹介しています。
通常、博物館では展示物にさわることは許されません。しかし、動物の体を理解するには、骨に直接さわり、観察するのが一番よい方法です。このコーナーではゾウの顎の骨、シカの頭や脚の骨、ウマやイノシシやイヌの頭の骨などを置き、来館された方が直接さわれるようにしました。骨格標本を見ながら、バラバラの骨がどこの部分のものか、それらがどう繋がっているかを体験してみください。
※「ハンズオンコーナー」は原則土曜日限定となります。
麻布大学いのちの博物館 公式twitter