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2019.09.17

企画展示11「動物の食べ物-シカ、サル、タヌキを比べてみたら-」

【展示概要】
 近代生態学の父ともいわれるイギリスのチャールズ・エルトン(1900~1991)は「すべての動物を突き動かすのは自分にふさわしい食べ物を十分に見つけるということである。食べ物こそが動物社会にとって最重要課題であり、動物群集の構造や活動はすべて食物供給をどうするかということを目指している」と記述した。私たちヒトにとっても同類であり、人類の歴史はこのこと(おいしいものを十分に食べること)の実現にあったと見ることができる。ヒトは果実を主体とした雑食性のサルである。
 ライオンやオオカミは肉食であり、生きた獲物を確保するのは容易ではない。そのために形態的にも行動学的にも特殊化した。一方、ウシやヒツジ、シカなどにとっては食べ物である草は豊富にあるが、実は植物の葉を消化するにはさまざまな困難がともなう。そして外敵から逃れる工夫も必要である。エルトンの言葉の意味は、こういう意味で、すべての動物は食べ物の確保という大目標に向かって生きているということである。したがって動物の研究において食性を明らかにすることは動物の理解にとって重要である。
 そうではあるが、動物の食性を調べることは大変であり、地味なことでもあるので、わが国で野生動物の食性研究が十分に進んでいるとは言いがたい。そうした中で、麻布大学の野生動物学研究室ではこの課題に取り組んできた。そしてシカ、カモシカ、タヌキ、テンなどの食性を明らかにしてきた。この展示ではこれらの成果を紹介しながら、動物(哺乳類)の食べ物について考える機会を提供することにした。

【配付パンフレット】
チラシ(期間延長版)

【展示のようす】
ケース全体tr
〈展示全体〉
ケース1+
〈動物の食性と肉食獣〉
ケース2+
〈雑食獣と草食獣〉
アリクイtr+
〈スペシャリストとしてのアリクイ〉
種子ケース+
〈タヌキの糞から検出された種子〉
クルミtr+
〈リスとネズミに食べられたオニグルミ〉
ヤギの胃+
〈ヤギの胃〉

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