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いのちの博物館だより

2016.12.03

フクロウの巣からネズミの骨を取り出す

麻布大学では八ヶ岳自然クラブと共同でフクロウの食性(食べているネズミの種類と数)を調べてきましたが、今年度はそれを博物館の活動と位置付けて本学の学生に声をかけて分析をすることにしました。学生も参加しましたが、ありがたいことに八ヶ岳自然クラブの方も参加してくださいました。3回の分析作業ですべて骨の取り出しが完了しました。参加者は小さな骨がネズミのどこのものかわかることに驚きと興味を示し、夢中で作業をしてくださいました。ネズミのほかリス、ヒミズ、モグラ、鳥、カエルなどのほか、カニなども出てきました。
この活動は博物館の展示という側面に加えて、研究の一面を来館者が協働する場を提供したという意味で意義深かったと思います。参加した学生は口々に「学んだことが多かった」と言い、「クラブ」の皆さんも「自分たちの知らなかった世界が広がった、学生さんと交流できたことがとても楽しかった」と語っておられました。その意味で博物館活動のよい事例になったと感じました(高槻記)。


★★★ 八ヶ岳自然クラブの方から感想をいただきました。 ★★★

「フクロウの分析の感想とお礼−代表として」  八ヶ岳自然クラブ フクロウグループ 田中 盛
 3回にわたって行われたフクロウ巣材分析のワークショップ、高槻先生にはいろいろとご配慮をいただき本当にありがとうございました。八ヶ岳自然クラブとして3回の催しで延べ10名の者が参加させていただいたことになりますが、参加者全員が非常に満足したとの感想を述べて帰りました。
 私たち"高齢者グループ"にとっては、若いはつらつとした学生さんたちとの交流は何十年前の学生生活に返ったような楽しい時間でした。そして、"現代っ子"の皆さんが、あのような地味な作業に黙々と真面目に取り組まれている姿を見て、現代若者像の別の側面を見たような嬉しい体験でした。
 分析素材の前処理、ワークショップ運営の立案・準備、等々、高槻先生は大変なことだったろうとお察ししますが、お陰さまで私たちは貴重な体験をさせていただきました。改めまして心からお礼申し上げます。
また、気持ち良く共同作業をしていただいた学生さんたちにも感謝申し上げます。どうぞよろしくお伝え下さい。


「フクロウが見たい」から「フクロウの生活」へ  八ヶ岳自然クラブ 檜山 幸子
 私はフクロウとのかかわりも今回が初めての者です。ただフクロウのことならなんでも知りたいと思って参加したのですが、あんなにこまかく今期のいる作業だとはおもってもいませんでした。
 でも高槻先生がときどき適切な説明をしてくださったおかげで、今までまったく興味を持たなかった骨格からたくさんのことが読み取れるということがわかりました。これまで骨格標本の展示などに目もくれていなかった自分が恥ずかしく思いました。
 今回の分析ではネズミのほかに鳥、ヒミズ、モグラなども出てきました。フクロウが木の上から目を凝らして音もなく獲物を捕らえるようすも目に浮かび、楽しく作業をしました。それにしてもフクロウがモグラをどうして捕まえるのだろうと不思議でした。出てきた骨の大きさはさまざまでしたが、これから生体の大きさを推し量るのはむずかしかったです。
 今回分析に参加したおかげで、これまでただ「フクロウが見たい」と思っていただけでしたが、フクロウの生活のことを考える視点を持てたように思います。
 大学に行くということで相当緊張していたのですが、高槻先生のお人柄と気配りとで楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。


こういう分析をしていたのですね  八ヶ岳自然クラブ 田中 すみ
フクロウの食性分析に参加しましたが、初めは、本当に自分で骨を探すことができるのだろうか、一つも見つからなかったらどうしようとちょっと心配でした。でも説明をうけたとおりにピンセットで巣材をかき分けてみると、何といただいた資料にある、「バイオリン」とか「歌うおじさん」とか少しずつ見つけることができ、本当に感激しました。
 今までも報告を聞いたことはありますが、特定の部位の骨を数えてネズミの数を数えるということをきくだけで今ひとつピンとこなかったのですが、これでその内容が理解できた気がいたします。
 これからは、フクロウ巣箱の前でじーっと待つ間も、今回のワークショップを思い出しながら、より深みのある観察ができるのものと楽しみにしております。
 若い学生さん達とご一緒の活動もまた大変楽しいものでした。
 貴重な機会をいただきましたこと厚くお礼申しあげます。

3回目の作業が終わって記念撮影3回目の作業が終わって記念撮影

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