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いのちの博物館だより

2018.04.04

春休み子ども教室開催「博物館で動物をくらべる」

2018年3月27日と28日に「博物館で骨をくらべる」という講座を開きました。
27日には11人、28日には12人の小学生が参加しました。

【目次】
 1. 解説
 2. スケッチのようす
 3. スケッチ作品
 4. 感想文
 5. 修了証
 6. まとめ
 ※ 読みたい項目をクリックすると、その項目の記事までジャンプします。

■ 1. 解説
 初めに骨についてお話をしました。スライドを使ってナメクジを紹介し、骨のない動物がいること、そういう動物は動きに無理があって大きくなれないことを話しました。それからカニを見せて、骨が体の外側にあって、筋肉が内側にある動物(外骨格動物)の話をしました。昆虫をはじめとして地球には外骨格動物の方がたくさんいるという話をしました。それから、ゾウなどを例に、骨だけを見ると生きているのと印象が違うものがいることを説明し、ライオンのタテガミなどは大きく見えるが骨は小さいという話をし、実際のタヌキの頭骨に、紙粘土をつけて彩色した模型を紹介しました。

タヌキの頭骨と頭骨に紙粘土をかぶせた模型

 スケッチをする前に、小さくなりすぎないように、スケッチブックの全面を使うように、最初にどのくらいの大きさに描くかを考えて、バランスをとるようにアドバイスしました。また、骨は白っぽい色をしているけども、光の当たり方で影ができるので、影を描くと、立体感が出ることを話しました。また、少し難しいかもしれないと思いましたが、肋骨を輪郭線だけ描くと、骨の部分と骨がない部分の区別がつかなくなるから、背景は色をつけると骨であることがわかりやすくなるという話もしました。

 それから2階の窓から展示室を覗いてキリンの目の高さで見たらこう見えるという体験をしてもらいました。

 展示標本をひと通り解説してから、思い思いの標本の前で自由に描いてもらいました。博物館の解説活動をしている麻布大学の学生のグループである「ミュゼット」からそれぞれの日に2人が参加して、子供たちにアドバイスしてくれました。

ゾウの解説をする

シカの骨格を解説する

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■ 2. スケッチのようす
 対象動物を自由に選ばせたのですが、意外なことに来館者に人気のあるゾウを選んだ子が一人もいなかったことです。キリンは一人だけでした。どうやら、大きい動物は難しいと思うみたいです。というのは感想文を読むと「コウモリは小さいので簡単だと思った」という文がいくつかあったからです。

 全身骨格でなく頭を選んだ子もいました。

ウマ頭骨のスケッチをする子とアドバイスする学生

カヤネズミのスケッチをアドバイスする

アナコンダを描きながら話をする

イルカを見上げる

イルカの体を観察する

コウモリのスケッチをアドバイスする

サイの頭骨の解説をする学生

イヌのスケッチをアドバイスする

アナコンダの前でスケッチする

ウマの大きさを見積もる

シカを観察する

シカのスケッチをアドバイスする学生

ハムスターを描く

ハムスターのスケッチをアドバイスする学生

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■ 3. スケッチ作品
 以下、いくつか作品を紹介します(動物の名前はわかりやすくしています)。

イルカ:たくさんの骨を丁寧に描き、力強い線で表現しています。肋骨の間を暗くしたほうがよいと言ったアドバイスを活かしています。


イルカ:スケッチブックをあふれてしまい、2枚にわたった力作になりました。


ウシ:大きいウシに挑戦しました。指の小さな骨や膝の「皿」まで丁寧に描いています。また歯について観察したことをメモしています。


ウマの頭:全体の形が子供離れした正確さです。また骨にも影の部分には色がついているはずだというアドバイスをちゃんと聞いていました。


オオカミ:スケッチブックに大きく描きなさいと言ったので、大きくなりすぎて、体の方が小さくなりましたが、それが子供らしい作品になりました。爪の色を表現しています。全体に迫力が感じられます。


カモシカ:複雑なたくさんの骨を丁寧に描きました。肋骨のあいだの暗い部分も描きました。また標本の支持棒まで正確に描いています。


キリン:ゾウとキリンは敬遠されましたが、ただ一人挑戦しました。大きい動物ほど全体のバランスがむずかしいものですが、驚くほどよくバランスがとれています。また骨ひとつひとつの形も正確です。誰が見てもキリン以外には見えません。


コウモリ:大きく伸びた前肢がバランスよく表現されています。


コウモリ:最初頭から描きはじめ、複雑な肋骨のところで行き詰まっていました。そこで「腕を描いたら?」とアドバイスしたら気が楽になったようで、本当にコウモリが飛んでいるような作品になりました。


コウモリ:この作品もコウモリが飛び出しそうです。あまり知られていないことですが、コウモリでは後肢の「足の裏」が前を向いていますが、それが正確に描かれています。


シカの頭:オスのツノが正しく描かれています。また奥歯の感じも巧みに描かれています。


ハムスター:ハムスターが好きだから選んだそうです。5本の指まで丁寧に描いてあります。


ペンギン:展示してある唯一の鳥の標本ですが、それが気に入ったようです。ペンギンはヨチヨチと歩くので立っているイメージがありますが、これは泳いだ姿勢の標本で、その姿勢がうまく表現されています。足の指も正しく描きました。


モグラ:モグラの頭がうまく捕らえられています。実はモグラは前肢が大きいのが特徴的なのですが、時間切れだったようです。力強い線で描いています。

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■ 4. 感想文
 以下に感想文からいくつかを紹介します。

 1年女子
 わたしはカヤネズミをかきました。さいしょからさいごまであきらめないでかけたから、いいとおもいました。

 3年男子
 さいしょははくぶつ館にきたときはきんちょうしたけど、友だちがいたのでゆう気がでました。そして絵をかく前にたかつき先生にいろいろ教えてもらいほねの絵をかきにいったら、ほねがいっぱいありすごいと思いました。友だちも一人できてだんだん絵をかくのが楽しくなってきたみたいでうれしかったです。

 3年男子
 絵をかくのがむずかしいところもあったけど楽しかったです。ほねのことについて教えてもらってはじめて知ることがたくさんありました。ウマのオスとメスのみわけかたもわかって楽しく学べました。ほねをかくとふくざつなところがあっておもしろかったです。

 3年女子
 コウモリは小さいと思ってかきやすいとおもったけど、あばらぼねや手、足、色々なところがむずかしかったです。コウモリの足や手はうまくかけたけど、あばらぼねがむずかしかったです。

 3年男子
 ウマのろっこつや足のよごれはかくのはかんたんでした。歯がむし歯に見えました。

 3年男子
 いつもより動物のことをしれてよかったと思います。もっともっと動物のほねのことをしりたいです。ペンギンの絵は思ったよりむずかしかった。イルカの細かいところがふくざつでむずかしかったです。

 4年男子
 ぼくはウシをかいてみて、ウシの前歯はきれいに真っすぐのびているけれど、おく歯は太くて少し2つに分かれていたので「おなじ歯なのにすこしずつちがうんだなぁ」と思いました。大きいウシはほねも大きいからかきやすいと思ったらおおまちがいで、じっさいには形や大きさなどがむずかしくて大変でした。 

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■ 5. 修了証
 最後に「修了証」を手渡し、記念撮影をして講座を終わりました。修了証には私が描いたオリジナルの動物イラストを添えました。

修了証を渡す



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■ 6. まとめ
 今回は小学3年生が多かったこともあってか、無邪気で明るい雰囲気でした。学年を考えると、スケッチがとても上手でした。そしてアドバイスしたことを作品に反映してくれました。できた作品にも感心しましたが、1時間ほどの時間を集中したまま食い入るように標本を眺めて一生懸命描いているのにも感心しました。もう少し時間をとってもよかったかもしれません。
 学生がアドバイスしてくれたことで、子供たちがリラックスしたのもよかったと思います。

上席学芸員 高槻記

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