本館ができた2015年に「ことばに読み取る麻布大学の歴史」という冊子を作りました。
その中に戦後の本学復興の中心的人物であった中村道三郎先生のことを取り上げました。また常設展示でも歴史コーナーに先生のことを紹介しています。
資料を調べる中で中村先生が日常的に書道をしておられたことがわかりましたが、その字がどのようなものであったかは知らないままでした。
今回、ふとしたことから先生の自筆のコピーが発見されました。
昭和19年ですから太平洋戦争が激化した時ですが、まだ麻布の校舎があった時です。
当時教頭であった先生が何かに書かれた字を誰かがコピーしておいたようです。たっぷりした墨の含み、文字の大きさの見事な配分、端正でありながら「郎」の字に見るように最後を十二分に伸ばし、それでいて全体のバランスがとれていることなど、文字通りの達筆です。