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いのちの博物館だより

2019.08.28

夏休み子供教室 博物館で骨を学ぼう -タヌキの骨とシカの骨 - 終了のお知らせ

指導:上席学芸員 高槻成紀  補助:麻布大学学生

【目次】
 1. 記録
 2. 子どもたちのようす
 3. スケッチ作品
 4. 感想文
 ※ 読みたい項目をクリックすると、その項目の記事までジャンプします。
 ※ 写真の公開については、本人様の承諾をいただいています。

■ 1. 記録
夏休み子ども教室として「タヌキの骨とシカの骨」を開催しました。7月25日と26日の2日で、昨年までの3日を短縮しました。事前申し込みで定員となりました。近隣の相模原市の子どもが主体でしたが、町田、横浜、都区内、千葉、埼玉などからの参加者もありました。
最初に草食獣の代表としてシカ、食肉目の代表としてタヌキについてそれぞれの特徴を書いたパンフレットの解説文を読んでもらいました。指名して音読をしてもらいました。シカとタヌキを比較することの意味を頭に入れてもらうためですが、要点は次のようなところにあります。
草食獣はどこにでもある植物の葉を食べるので、探す心配はないが、食べた植物を消化するのが大変なので、奥歯がよく発達し、すりつぶしやすい形になっていること、これに対して肉食獣は食物としての栄養価が高く消化しやすいけども獲物を捕らえるのが大変だということを理解してもらいました。タヌキはグループとしては食肉目というイヌやネコに代表されるグループに属しますが、実際にはタヌキが肉、つまり哺乳類や鳥類の筋肉を食べることはあまりなく、秋から冬には果実、夏には昆虫をよく食べます。

記①
【シカの特徴を説明する】
記②
【ウマの標本で草食獣の説明をする】

それから骨のスケッチについて話しました。はじめに、今日描くのは、図工の絵ではなく、理科の絵だという話をしました。そのために、丸顔のタヌキの絵を見せ、「こういう絵はタヌキの可愛さを表そうとしているから、それはそれでいいんだけど、今日描くのはできるだけ正確にということです」といって実際のタヌキの顔のスケッチを見せました。そして本物のタヌキの頭骨を見せながら「タヌキは丸顔の印象があるけど、実際は顔の横に長い毛が生えていて、それで丸顔みたいに見えるだけで、毛を除けば細長い顔なんです。こっちの絵はその丸顔の印象を描いたもので正確に描いているのではありません。図工ではそれでいいですが、今日は正確さを目標にしますよ。だから図工ではあまりしないことだけど、気がついたことを書いてもいいですよ」次に話したのは実際に描くポイントです。一つは大きく描くということです。
「画用紙の中央に小さく描くのではなく、前面に広がるように描きましょう」というのは子供はどうしても実物大に描く傾向があるので、タヌキの場合、絵としては小さすぎるからです。「それから骨の色そのものは違わなくても、目の内側など影になる部分は黒っぽく見えるでしょう。だからそういう部分は影をつけるように黒っぽく描いてください」子供達は真剣に標本を眺めてスケッチに取り組んでいました。
個人差がかなりありましたが、一つにだいたい30分くらいをかけてもらいました。最初の動物が描けたら、作品をコピーし、次の動物に取り掛かってもらいました。
意外に難しいようだったのは、骨の重なりの表現です。シカでもタヌキでも下顎骨の付け根が縦方向に伸びて頭骨と接しますが、頭骨には目から後方に頬骨がブリッジ状に伸びています。下顎はその内側に入るので、頬骨と下顎骨は交差することになります。これをそのまま描くので前後関係がわからなくなるのですが、そのことの意味がわからないのか、だいたいこんな感じという程度の意識で描いているのかわかりませんが、そのままにしている子がかなりいました。ただ一言説明すれば納得して修正していました。
一つが出来た時に、一息ついてもらってライオンとウマの頭骨標本を観察してもらいました。みんな興味津々で見たり、触ったりしていました。初日は1人、2日目は2人の麻布大学の学生がアシスタントで参加し、アドバイスをしたりしてくれました。
2つを描き終わった子には感想文を書いてもらい、最後に修了証を渡しました。修了証には動物のイラストを描きましたが、これは一人一人違うものにしました。

記③
【修了証を渡す①】
記④
【修了証を渡す②】
それから集合写真を撮りました。初日は11時45分くらい、2日目は11時40分くらいに終わりました。

集②
【2019年7月25日】
集①190725
【2019年7月26日】

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■ 2. 子どもたちのようす
子の様子①子の様子②子の様子③子の様子④子の様子⑤子の様子⑥子の様子⑦子の様子⑧子の様子⑨子の様子⑩子の様子⑪子の様子⑫子の様子⑬子の様子⑭子の様子⑮
【アドバイスをする】
子の様子⑯
【ライオンを観察する①】
子の様子⑰
【ライオンを観察する②】
子の様子⑱
【ライオンを観察する③】
子の様子⑲
【シマウマの足を組み立てる】
子の様子⑳
【アドバイスをする学生】
子ようす㉑
【シカの頭骨について質問に応える】

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■ 3. スケッチ作品
 数が多いため、全部を紹介できないことをご了解ください。
『7月25日 シカ』

柳瀬澪(725シカ)
【形も色も立体感もすばらしい。形も色も立体感もすばらしい。】
中村(725シカ)
【真横から見て、骨1本ずつまで定年に描き、太いりんかくで力強い品になりました。】
金子(725シカ)

【色鉛筆の使い方により立体感が出ました。】
金へりん(725シカ)
【確かな線で力強く描きました。】

河本(725シカ)
【形の正確さはもっとくんれんすることとして、歯や舌の骨などもとり上げた点がすばらしい。】

『7月25日 タヌキ』
髙橋來(3年)(725タヌキ)
【画面いっぱいに大きく描き、タヌキらしい歯や目のくぼみが3年生とは思えないほどうまく表現できました。】髙橋央(5年)(725タヌキ)
【全体のバランスをとてもよくとらえました。後ろから見たのがユニークです。】

大瀬(725タヌキ)
【歯が印象的だったようできょうちょうして描いてあります。】

金へな(725タヌキ)
【タヌキの頭の全体、頬の骨など正確に描きました。】
嘉藤(725タヌキ)
【タヌキの歯の鋭さ、目の部分の奥行きなどみごとに表現しました。】

『7月26日 シカ』
髙柳(726シカ)
【全体のバランスも細かいところの形もみごとです。骨と骨の境目の線やアゴが頭に入り込んだようすもみごとに表現されています。】
齊藤(726シカ)
【あごが長くなりましたが、あいまいさのない線で描かれています。穴やくぼみの中までよく見て描きました。全体の下にかげをつけたので、浮き上がって見えます。】

濱(726シカ)
【正面から描いたのはユニークです。形も色もよく描けました。】草薙(3年)(726シカ)
【力強さを感じます。骨のつなぎ目や小さな穴も描いてありますし、観察したことが書いてあります。】

森田(726シカ)
【大きくバランスよく描いてあるので、シカのとくちょうがよく表現されています。】
岸(726シカ)
【全体の形がバランスよくとらえられており、歯もていねいに描かれています。目のくぼみが表現できたらもっとよくなります。】

『7月26日 タヌキ』
草薙(あかね3年)(726タヌキ)
【頭の形は少しバランスがよくないですが、歯はタヌキらしさがよく描けました。】
田村(726タヌキ)
【大きく、正確に描けました。タヌキの目やほほの骨などはふくざつなカーブを描くのですが、それが正しくとらえてあります。あぶらがのこって茶色になっているところも描いてあります。】
鈴木(726タヌキ)
【頭のひたいのあたりがまっすぐになりすぎましたが、たくさんの歯のふくざつさや頭の後ろにあるとびだしもうまく描けています。】
大根田(726タヌキ)
【はっきりした線でごまかしのない作品になりました。特にたくさんの歯をよく観察して描き分けています。】
草薙(あつし6年)(726タヌキ)
【タヌキの頭のうしろの部分は独特のでこぼこがありますが、それをとらえています。歯の鋭さも表現しました。】

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■ 4. 感想文
数が多いため、全部を紹介できないことをご了解ください。氏名及び学校は伏せています。
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