11月15日(土)16日(日)に毎日新聞社主催「天王寺動物園で学ぶSDGzoo~みらいを紡ぐ仲間たち」が大阪・天王寺動物園で開催され、麻布大学いのちの博物館の骨格標本が出張し、獣医学部獣医保健看護学科で博物館元館長の島津教授と博物館解説サークル"ミュゼット"の学生が解説活動を行いました。
イベント当日の様子は麻布大学ホームページ「News」をご覧ください。「News」を読む
今回この活動に参加したミュゼットのメンバーから感想をいただきましたのでご紹介いたします。
■普段はミュゼットの一員として、いのちの博物館で解説活動を行っていますが、今回、初めて外部で骨の魅力を伝える活動に参加しました。動物園という開かれた場で、来場者の方と直接向き合いながら"いのち"を伝える体験は、私にとって新鮮で学びの幅を広げてくれるものとなりました。
■今回の天王寺動物園でのイベントは、主に視覚に頼らずに学ぶ方々に参加いただきながら実施されました。この活動に関わる中で、私は一つの大きな気づきを得ました。それは、骨という存在は、そもそも誰にとっても"目では見えないもの"ということです。私たちは普段、図鑑や標本を通して「骨の形」を学びます。しかし、それはあくまで視覚情報によって補われた"イメージ"にすぎません。本物の骨は私たちの身体の中にあり、直接見ることはできない。そう考えると、「触って形を知る」という方法は、視覚の有無に関係なく、誰もが同じ地点から始められる学びなのだと気づきました。実際にイベント中、私も目を閉じて骨に触れてみました。重さ、凹凸、表面の滑らかさ、骨の流れるような曲線──視覚情報を手放すことで得る骨が語る情報が鮮明に伝わってくる感覚があったのを覚えています。動物が生きてきた時間まで想像できるような、不思議な深さを感じる体験でした。イベントには、海外からの方や普段は視覚で学ぶ方など、多様な人が参加してくれました。骨に触れた瞬間の驚きや、真剣に輪郭を追い何の動物かを当てようとする姿、思わず笑顔になるなど、触れることで得る反応が見られました。
■手で触る、持ち上げる、撫でる。これらの体験を通して骨の存在を実感し、動物の生きた証をたどる。そんな時間を来場者の方々と共有できたことは、触って学ぶことの価値を改めて感じる機会となり、出張解説として外へ学びを届ける意味を考えるきっかけにもなりました。
■今回の経験を通じて、「いつでも、どこでも、誰にでも」学びの場を届けることが、ミュゼットの出張解説が担う役割だと実感しました。いのちの博物館に収蔵されている骨を外へ運び、多様な人と"いのち"を共有する。その積み重ねが、学びをより豊かにし、人と動物をつなぐ大切な橋渡しになるのだと思います。これからもミュゼットとして、動物園や学校、地域のイベントなど、より多くの場所で"触れる学び"を届け、いのちの手触りを感じてもらえる機会をつくっていきたいと思います。
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