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いのちの博物館だより

2017.10.03

博物館セミナー1開催「フクロウが運んできたもの」

【目次】
 1. セミナーの様子
 2. 参加者の感想(抄)
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■ 1. セミナーの様子
 平成29年9月30日(土)に企画展示「フクロウが運んできたもの」のセミナーとして、同題でセミナーがおこなわれました。講師は当館の高槻成紀上席学芸員で、25人の参加者がありました。

 講義では前半で、企画展示で伝えようとしたメッセージとして、1)研究の内容紹介と2)その結果の保全上の意味が説明されました。そして、実際にフクロウの巣箱に残されたネズミなどの骨をどう類型したか、その結果「森ネズミ」と「ハタネズミ」の違いがみつかったこと、これらのネズミは動物学的にどう違うか、どういう生態学的意義があるかなどが紹介されました。そのなかで、森林が伐採されたこととフクロウの保全は、森林伐採は悪いことだという単純な保護論では片付かないという話もされました。

 後半では、展示の裏話として、準備のたいへんさや楽しさの話がありました。よい研究内容でもいかに展示するかによって魅力がまったく違います。企画のアイデアを考え、そのために何をどう展示するかのプロセスが紹介され、アイデアのラフスケッチが業者によって正確な設計図になることが紹介されると会場から歓声があがりました。小さなネズミの骨の展示、その補助としての模型作り、ワークショップとしての巣材からの骨の取り出しのようすなども紹介されました。

 講義の最後に、フクロウやその保全について活発な議論がおこなわれました。

 その後、展示会場に移動して、講義を踏まえて展示を眺めながら会話がはずみました。

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■ 2. 参加者の感想(抄)
※タイトルは、博物館で付けさせていただきました。

「セミナーで学んだこと:フクロウの生態と保全」(松岡 優子 さん)
 フクロウの食性や、食べ物のシフト、フクロウの顔がマイク代わりになっていることなど、大変興味深く聞くことができました。「森林伐採は絶対悪ではない」という考え方にも新鮮さを感じました。また先生のお話もユーモアを交え楽しかったです。来てよかったです。

「動物の研究の仕方について」(森 千尋 さん)
 私は、このセミナーで、調査方法から、フクロウの生態、展示方法まで、色々な事を聞けて面白かったです。研究をする上で、まず知っておかなくてはいけない事や、食べる物(ネズミ等)の生態について調べる等、研究をする過程が聞けたので、今後の参考にしようと思います。
 また、収穫祭で行う展示方法も参考にしたいと思いました。アクリルの円柱に骨格を乗せる方法や、模型を見やすくするために手作りするという方法が良いなと思いました。
 アカネズミ、ハタネズミ、ヒメネズミを学校で飼育しているのですが、まだまだ知らないことが多いと思いました。勉強しようと思います。

「高槻先生のお話」(松岡 怜奈 さん)
 話の途中で色々なまとめが入り、それによってより分かりやすくなっていました。また、話もユーモラスで聞き飽きませんでした。次々と違うパネルが表示されていたため、見飽きることがなく、集中して聞けました。
 フクロウの話だけではなく、「運んできたもの」のネズミの骨や生態についての話もあり、いつもとはちがった視点からフクロウを見ることができました。フクロウの数から森林などの課題にまでわたっていて、退屈しませんでした。

「展示について聞けたこと」(畑 明子 さん)
 今回のお話で特に興味深かったのは、展示の準備についてです。私は博物館が好きで色々なところに行くのですが、最近はどこでも分かりやすく展示されていて、どうやって展示しているのだろうと思っていたので、その話が聞け、良く分かってよかったです。
 セミナーに参加する前にワークショップに参加していたので、先生のお話がよく分かりました。

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