当館では、今年6月より教育機関向けのサービスとして、学習教材(標本類)の貸出を行っております。
サービス開始から早速いくつかの学校からお申込みいただき、授業等でご利用いただいております。
本日より、その貸出事例をご紹介していきたいと思います。
■ 学校名
私立 明星中学校
■ 利用教材
・タヌキの頭骨標本 5点
・ニホンジカの頭骨標本 5点
■ 使用期間
平成29年8月30日~平成29年9月30日
■ 学年
中学2年
■ 教科
理科
以下は本館からのアンケートの質問と、利用者からの回答です。
教材(標本類)に対する児童・生徒の反応をお聞かせください。
・タヌキやニホンジカを身近に感じ、自然の過酷さや環境に適応した体つきについて、思いを巡らせた生徒が数多くいた。
・教科書で扱われている内容を、はるかに超えた認識を得ることにつながった。
・博物館や大学、高槻先生の著作を紹介し、発展的内容に興味を持つ生徒がいた。
教材(標本類)の利用時に工夫された点、心掛けられた点をお聞かせください。
・視点を提示した点(顔の形、歯の違い、目のつき方、生活の仕方との関連)
・観察の方法を伝え、時間内に、多くの情報を得られるよう工夫した。
教材(標本類)を利用して、先生のご意見・ご感想などをお聞かせください。
以前から、博物館から標本をお借りして授業したいと考えていましたが、身近に利用できる館があり、実施することができて良かったです。
歯が抜けたり、骨が欠けたりしましたが、大きな破損がなく、ホッとしています。
これで返却までスムーズに終了するのであれば、ぜひまた来年以降も利用したい。高槻先生にも質問対応していただき(※)、心から感謝しています。
※)ご利用の際、生徒さんから以下の質問があり、当館の高槻上席学芸員より回答させていただきましたので、ご紹介いたします。
今後の参考にしていただければと思います。
①ニホンジカの歯の下のほうが黒く汚れたみたいになっているのはなぜか?
植物から出る液が沈着したものです。
②駆除されたシカの死体は燃やされるのか?
駆除は地方行政が担当し、市町村によってやり方が違います。
多くの場所では廃棄物として焼却されますが、大きな穴を掘って埋めることも、山に放置するところもあります。
③標本を触っていて、感染症になることはないか?
加熱して肉を除き、アルコール消毒をしているので、大丈夫です。
授業でのスケッチの様子
麻布大学いのちの博物館 公式twitter