平成29年11月5日(日)に、町田市子どもセンターただONで『こども体験講座「動物の頭の骨を観察してみよう!~サルとタヌキの骨くらべ~」』を開催し、無事に終了しました。
たくさんのお子様に参加いただき、誠にありがとうございました。
また、場所を提供してくださった「ただON」の皆さまに深く感謝申し上げます。
以下に、講師を担当した 高槻成紀 上席学芸員からのコメントを記載いたします。
【高槻上席学芸員からのコメント】
初めに人の頭との比較でサルの頭の説明をしたからか、サルの頭骨を対象にした生徒が多いようでした。
とくに「こう描きなさい」とは言わないで、スケッチブックの中央に大きく描くこと、よく観察して、気づいたことをメモすることだけを言いました。
どうしても線だけで描くので、目の奥などは光が当たらないから暗くなっているので、そのことを表現するためには、暗くするとよいと教えたら、多くの生徒がそれを飲み込んで実施してくれました。
また、骨はほとんど白だけれども、白そのものではなく、少し黄色味がかっているから、色鉛筆で表現したらよいことも言いました。
以下、一部ではありますが、印象的な作品にコメントを書きました。
このサルはたいへんすぐれたスケッチで、全体に正確に描かれています。
とくに目や鼻の内側に見える骨まで描き、しかもそこに影をつけることで奥行きを表現しています。
このサルは正確さという意味ではまずまずのできというところですが、歯が印象的だったようで、ていねいにたくさん描いています。
小学2年生なので正確という意味ではこれからですが、スケッチ全体がもつエネルギーを感じさせる作品です。
サルのあごは、ふつうはなかなか選ばない対象です。
タヌキやシカなどが前後に長いのと比べると前後には短いこと、左右のあごが分離しないことなどがとらえられています。
また切歯(前歯)と臼歯(奥歯)の違いも描きわけています。茶色の色使いも立体感を出しています。
これはタヌキの頭骨を前から見たところと、後ろから見たところの両方を描いています。
これはタヌキのあごを上から見たもので、アングルがユニークです。
歯と歯槽との関係も描いてあります。
■ 当日の写真
麻布大学いのちの博物館 公式twitter