■ 学校名
横浜市立瀬谷中学校
■ 利用教材
・ハクビシンの頭骨標本5点
・アライグマの頭骨標本5点
■ 使用期間
平成30年10月15日~平成30年11月10日
■ 学年
中学2年
■ 教科
理科
以下は本館からのアンケートの質問と、利用者からの回答です。
教材(標本類)に対する児童・生徒の反応をお聞かせください。
「これ本物?」という反応が最も多かった。顔を近づけてすみずみまでよく見たり、匂いを嗅いだりするなど、強い興味を持って観察していた。思っていたよりも頭の骨は小さいという感想もあった。
また、貸していただいた標本は、採取地が横浜市のものが数多く含まれており、「横浜にいるの?!」と驚いている様子の生徒もいた。
教材(標本類)の利用時に工夫された点、心掛けられた点をお聞かせください。
今回お借りした標本はともに雑食性であるハクビシンとアライグマだったので、雑食性の2種からも体のつくりと食物の関係の理解を深められるよう、生徒にはどちらの動物も雑食性だが食べ物の内容には違いがあることを知らせたうえで観察させた。
これにより、生徒が発見した2種の骨のつくりの違いとそれぞれの食性を関連付けて考えられるように心がけた。ただし、この2種の頭骨はよく似ており、違いを明確にするのは教員でもなかなか難しい。そのため、観察の視点として「歯のついている位置」、「筋肉が付着するはずのくぼみ」、「頭の大きさ」などを伝えた。
今回の実習は、教科書からはやや逸れ、発展的な内容となった。生徒は、教科書の内容にある草食動物と肉食動物のからだのつくりについてあらかじめ授業で学習してから実習に臨んだため、その知識を応用して「食べものの似た2種ではどうなの?」を考えることができたのではないかと思う。
教材(標本類)を利用して、先生のご意見・ご感想などをお聞かせください。
急な相談だったにも関わらず、教材をご用意くださり大変助かりました。ありがとうございました。
【感想】質の高い教材を多数お借りでき、生徒にとっても教員にとっても良い学習体験が得られた。横浜市の学校であるため、横浜市で採取された標本を多数混ぜて下さったことが、生徒にとっては「え!いるの!?」という衝撃を与える効果となり良かった。おかげで身近な自然への関心が高まった生徒もいた。また、なぜこれらの動物が標本になったのかという点にも触れることで、人間と動物の軋轢について考えるきっかけにもなったようだった。生徒のなかには「外来生物だからって殺されるのはかわいそう」とか、「野生動物が交通事故で死んでしまうのはかわいそう」という感想を持ったものもいた。このような気持ちだけにとどまらず、これから自分自身が自然とどう関わっていくべきか考えられるよう指導を続けていきたい。
【標本について】各動物の頭骨標本が、1点から貸し出しがあっても活用の幅が広がってよいかもしれないと感じた。今回の実習では、お借りしたハクビシン、アライグマ各5点に加え、ニホンジカ、キョン、キツネの頭骨を1点ずつ用意し生徒に見せた。全員にいきわたらせることはできないが、それでも実物があることの効果は大きい。見たり触ったりできることは生徒の深い学びにつながるように感じた。
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