■企業名
毎日新聞社
■利用教材
「タヌキの頭骨標本5点」体験教材
「ハクビシンの頭骨標本5点」体験教材
「アライグマの頭骨標本5点」体験教材
「ニホンジカの頭骨標本5点」体験教材
「キョンの頭骨標本5点」体験教材
「ニホンザルの頭骨標本2点」体験教材
■利用期間
令和6年11月10日
■利用者(人数)
川野学都(大阪南視覚支援学校)
天王寺動物園に来園した視覚障害者含む約40名
■教科
天王寺動物園で学ぶSDGzoo いのちの授業「手でみるいのち」
ー以下は本館からのアンケートへの回答です。ー
■教材(標本類)に対する児童・生徒の反応をお聞かせください。
・命の大切さがめちゃ分かって、自分の命も大切にしたいし、動物の命を大切にしたいです。
・受けたかった授業でした。数年前に同タイトルの本を読み、動物園でできたら!と思いました。実際に体験することで、人に動物について伝える時、着目点をはっきりするとか、人間と対比させて考えると理解しやすいなど、勉強になりました。ドリームデイアットザズーなどでも開催してはいかがでしょうか?
・骨のみるところで、耳がとてもよく聞こえていたとか、顎の力が強かったとわかるということが、すごいと思いました。動物の骨に触れることがなかなかないので、とても貴重な体験ができて、嬉しく思いました(全盲の男性)。
・「手でみるいのち」を体験したいと、京都市動物園でも参加させていただき、動物の生態についても学べてよかったので、天王寺動物園でも参加したいと思いました。動物園は、生き物の様々な面を学び、自分自身について、ヒトについて考えるきっかけになる場もあると思います。動物園だからこそできること。このような取り組みは、じゃんじゃん宣伝してほしいです。私も宣伝します!
・たくさんの親子連れの方が参加されていることに驚きました。そして、普段なかなか触ることのできない多くの動物の骨を、先生の説明を聞きながらじっくり納得がいくまで、触らせていただくことができ、貴重な経験でした。動物によって異なる、歯の鋭さ、歯並び、耳の位置、骨の重量などで、弱肉強食の世界で生きる動物達の生存競争の様子も想像することができました。目で見て確認することができない私には、骨を触らせていただき、本当によく理解することができました。主催してくださった全ての関係者の方々に感謝したします。ありがとうございました。
■教材(標本類)の使用時に工夫された点、心掛けられた点をお聞かせください。
・視覚障害者の方が自分の活動領域を認識しやすくするために廃棄予定だった社員食堂のトレイを使用しました。
・弱視の児童でも白い骨が少しで見やすくするため、黒い画用紙を貼りました。
・5つのグループに一人ずつサポートスタッフを配置しました。大阪でも「神戸動植物環境専門学校」で飼育員を目指す学生さんが付いてくれたので、各テーブルでの補足説明などで助けていただきました。
■教材(標本類)を使用して、先生のご意見・ご感想等を自由にご記入ください。
○川野先生(大阪南視覚支援学校)
麻布大学いのちの博物館様から骨を借りることができなければ、今回のようなワークショップが成り立ちませんでした。大きなご協力ありがとうございました。
○前田寛(毎日新聞社)
「手で見るいのち」という本の存在を知り、視覚障害者の方が動物の骨をさわって、その生態を学ぶ授業の内容について読み、心が震えるほどの感動をしました。その時から、この授業を動物園で実施したいという想いがふくらんでいきました。
幸い、ご縁があって、実際に動物の骨を使った理科の授業をされている大阪南視覚支援学校の川野先生のご協力いただくことができました。ところがどの動物園も貸し出し用の大量の頭骨を所持しておらず、なかば諦めかけていたところで、麻生大学いのちの博物館様のホームページにたどり着きました。メールでもお電話でも本当に親切にご対応いただき、しかも3ヶ月もの間、骨を貸していただけるという厚遇までいただき、涙が出るほど嬉しかったです。
動物園というオープンなスペースで視覚障害者の方と健常者がみんな同じ骨を触っていのちを学ぶ授業「手で見るいのち」。本当に温かく優しい空間で、笑顔の絶えない学びの場となりました。
生きてきた動物たちの本物の骨に触る機会はそれほど多くありません。個人的にもどの骨にも愛着がわいてしまい、お別れの時は寂しい気持ちでいっぱいでした。
本当にありがとうございました。
また今後もご協力いただくこともあるかと思います。どうぞ引き続きよろしくお願いします。
ー毎日新聞社から届いた実施レポートをご紹介しますー
麻布大学いのちの博物館 公式twitter