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いのちの博物館だより

2025.04.29

中高生向けワークショップ「動物の脳のつくりを観察してみよう!」を開催しました

2025年3月28日(金)中高生向けのワークショップ「動物の脳のつくりを観察してみよう!」を開催しました。講師は、本学獣医学部獣医保健看護学科教授の島津德人先生が担当し、3人の大学生がサポートとして参加しました。
いのちの博物館のワークショップとしては、中高生対象のものは初めての開催でしたが、定員を超える参加者が集まりました。

はじめに、島津先生のご専門である解剖学、中でも「口」についてのお話がありました。
わたしたちにとって身近な身体の器官である「口」ですが、専門的な内容が分かりやすく説明され、とても興味深い様子で、真剣に耳を傾けていました。

皆さんがリラックスした後、鶏頭の水煮缶(ペットフード)を利用したニワトリの脳の解剖実習がスタートしました。

はじめに、解剖実習についての事前説明があり、一人一人に鶏頭が配られました。初めて鶏頭をご覧になる方が多く、観察する皆さんのまなざしには、緊張感の中にもわくわくした様子が感じられました。
 
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スライドを見て鶏頭の向きを確認したあと、ピンセットで頭皮を剥がし、頭骨を外していきます。緊張しながら、少しずつ作業を進める参加者に、「大丈夫。丁寧にできているよ」と大学生が声をかけ、皆さん、安心して作業を続けます。

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脳を確認できたら、脳のまわりを丁寧に取り除き、脳の下にピンセットを入れ、持ち上げて、脳を取り出していきます。
この作業もとても難しそうでしたが、大学生のあたたかい励ましもあり、一生懸命に取り組み、笑顔も見られました。眼球や視神経を付けたまま取り出すことにチャレンジをする方もいました。

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脳を取り出した後、大脳、中脳、小脳、間脳、延髄に分けていきます。
 
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分類した脳を観察し、脳全体に対して、それぞれの脳の割合がどのくらいか、グループごとに話し合い発表します。

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発表した脳の比率を元に、ニワトリと人間の脳を比較、考察をしました。
ニワトリはヒトよりも、中脳、小脳が発達しているのはなぜか?
陸で生活するヒトと空を飛ぶ鳥、行動の違いに関係しているのではないか?
先生の問いかけに対して、自分で考え、発言し、みんなで意見を共有しながら、結論を導いていきました。

先生の講義は、脳の構造や役割、そして脳の初期発達についてなど多岐にわたり、専門性の高い内容でしたが、わかりやすい説明で、参加者の集中力は途切れることなく、気がつけばあっという間に時間が過ぎていました。脳の神秘に触れ、新たな発見があり、学ぶことの楽しさを改めて感じていただけたのではないかと感じます。

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このたびはワークショップにご参加いただきまして、誠にありがとうございました。
ニワトリの脳の解剖を通して、新しい発見、気づきはあったでしょうか。
今回のワークショップが、皆さんにとって少しでも良い経験となりましたら幸いです。

最後に皆様からいただきました感想を抜粋して紹介します。

・教科書や参考書などの図でなく、実際に自分の手で解剖することで、骨と骨のくっつき方や正確な位置関係が分かり、大変興味深かった。調理済みということもあるだろうが思っていたより解剖しやすかった。また全体の脳の大小だけでなく、脳のどの部分が全体に対して発達しているかも大事であることを学んだ。自分の手で確認することの大切さを学んだ。

・先生のお話が興味深かったです。解剖学、とてもおもしろそうな学問だと感じます。生物学という学問は、私たち人間を客観的に見られる学問だと感じます。

・想像していた脳よりも小さくて丸々としていてびっくりしました。脳の各器官のしめる割合を人間と比較することで、何のために発達しているかが分かって、より深い学びになりました。

・にわとりの脳の解剖を行い、人間と他の動物の違いについてたくさん知ることができました。次も解剖ができたりするイベントなどがあったらまた来たいです。ありがとうございました。

・動物の脳のつくりの観察をしてみて、脳は動物によってそれぞれで、人間は考えてご飯を得て、鳥は飛んで獲物をつかまえるという特性をつかってご飯を得ているのだと思いました。それぞれが自分がどう生き残るかという特性や個性を見ることができて楽しかったです。

・今回、動物の脳のつくりの観察をして、鳥の頭はどんな構造になっているのか全く知らなかったので、ピンセットで骨を取り出したりして、どこにどんな部位があるのかについて詳しく知ることができました。

・しわが多い方が頭がいいとかは、自分の脳は自分で見られないので、信じていなかったのですが、納得することができました。

・鳥の脳から飛ぶためのバランスや獲物を得るための目の大きさについて学べて解剖学の楽しさがわかった。解剖学で様々なこと、また動物の性質や特徴について知ることができたので、動物の骨を見る目が変わりました。

・脳のつくりへの理解が深まった。ニワトリと人間の目と脳の割合の差が興味深かった。今後、カエルの解剖、行動についてのワークショップがあれば参加してみたい。

・鳥と人間を比べてみたときに、脳の中で占める割合が異なり、必要なところが発達していて、すばらしいと思った。進化を感じました。私は動物の行動を見るのが好きなので、行動から人間と他の動物の違いを見つけてみたいです。

・動物の脳のつくりという内容だけかと思っていたら、「口」に関する内容の興味深い話しを聞くことができて参加して良かったと思った。解剖をするのは初めてで、壊してしまうのでは、と不安に思ったが、大脳、小脳、中脳、間脳などを観察することができた。まだ高1なこともあり、予備知識があまりないこともあり、説明にあった部位しか分からなかったが、頭にはもっとたくさん部位があると思うのでたくさん勉強してまた来たいと思った。

・今日参加して、今まで知らなかった鳥の知識、脳の知識についてたくさん詳しく知ることができました。この知識のおかげで自分の将来の幅が広がったと思いました。

・本日は貴重な体験をさせていただきありがとうございました。ただ解剖するだけかなと思っていましたが、ヒトと鳥類、その他の動物との顔のつくりを比べて、なぜ口はこういう形になったのか、なぜ目の大きさが異なるかなどとても勉強になりました。

・今回のセミナーでは、動物の脳の仕組みや役割、さらには口に関する知識など教えていただき、とても新鮮でした。学校では習ったことのない専門的なことや実際に解剖してこそ分かる気づきや発見がありました。また、なぜ他より大脳が大きいのか、なぜこの部位が発達しているのかなど、さらに深い内容までも考えるとてもいいきっかけとなりました。そして、個人的に哺乳類、鳥類、は虫類、魚類などの脳の比率など、さらなる探求意欲がわいたので、今後もこのようなセミナーに参加したいと思いました。

・まじまじとニワトリの頭の中を見ることがないので初めての経験で面白かったです。大学の雰囲気も良さそうでいいなと思いました。水中生物も人間や鳥類とはちがう脳のつくりがありそうで気になりました。解剖は怖いと思っていたけど、全然怖くなくてもっといろんなところを見てみたくなりました。

・脳の大きさが生物によってまったく違うことに面白さを感じた。頭の中を見て思ったのは複雑でとてももろいということが分かった。

・鳥は中脳や小脳が発達していることを知れて面白かったです。なぜ発達しているのかにも理由があって面白いと思いました。色々な動物の脳のつくりを知りたいと思いました。

・口や、脳の大きさに注目するのが初めてでした。色々な新しい気づきがあった。にわとりや頭だけでなく他の部位、動物も解剖してみたいと思った。にわとりが意外と脆いと感じた。動物ごとの口や歯の違いに感動した。

・生物の生きている状況によって脳の発達が違ってくるのがおもしろいと思った。ある部位がおとっているのではなく別の部位が発達しているという考え方が新しくていいなと思った。病理系のワークショップがあったら是非参加したいです。

・種類によって脳の発達部分が違うと知りました。高校では手羽先しか解剖したことがなかったのでとても良い経験になりました。

・始まりから終わりまで資料を活用し身近な例を使用して説明してくれたため、知識不足で理解できないといったことがなかったです。また鳥の解剖では画像付きで指示してくれたため、やり過ぎた等がなく目を残せた人は2~3人という情報を与えてもらうことで実験に対する競争心が芽生え、少しの遠慮もなくなりました。

ワークショップ終了後は、いのちの博物館をご見学いただきました。
いのちの博物館では、博物館解説サークル「ミュゼット」の学生が解説を担当しました。
 
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博物館展示室で、皆さんが撮影してくださった「わたしのいのちの博物館ベストショット!!」をご紹介します。
素敵な写真を撮影していただきありがとうございます。
是非またのご来館をお待ちしています。

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